またまたのんびり読書週間してます。
本日読んだのはこれ!
『少女』 湊かなえ
女子高生の敦子と由紀は幼なじみ。
でもある出来事からお互いがお互いに対して微妙な感覚を抱いてしまう。
仲良くしているけれど、本心はどう思っているんだろう?
どうして、そんな行動をとってしまうんだろう。
前はそんなじゃなかったのに…。
そんな中、最近転校してきた友達のシオリが、”親友が過去に自殺したのだ”ということを告白する。
死を悟っているような彼女の口ぶりに刺激を受けた2人は
『人が死ぬところを見たい』
という願望が湧き始める。
2人は、小児科病棟や特別養護老人ホームでのかかわりを持つことで
人の死ぬ瞬間を見れるのではないかと考え、行動に移すのだが…。
10代の頃に友人に抱いていた微妙な感情を思い出させる小説だなあという第一印象。
そして伏線回収が素晴らしい。
仲の良い友人には、その他のクラスメイトにはどう思われてるんだろうか?
浮いていないだろうか?
もしかしたら悪口とか言われてるんじゃないだろうか?とか。
そこまで気にすることないことまで、気にしてしまう10代の気持ち。
良かれと思って起こした行動も、卑屈になってしまっている相手に対してはストレートに気持ちが届かずに齟齬が生まれてしまったり。
ある意味では自分しか見えていないことが原因なのかもしれないけれど。
学校という小さな世界と、小さなヒエラルキーの中で
うまくやっていくには、と考えていたあの頃を思い出す。
その殻を破るにはどうすればよいのか。
人が死ぬ瞬間を見たいと思ったことは、私はないけれど。
人の行動には、理由がある。
その理由に気づくかどうかは結局は自分次第…。
そして伏線が最後にずらずらっと回収されていくスッキリ感。
読後も
『じゃあ、その後2人はもしかすると天罰を受けるかもしれない…?』
などと考えさせる、余白の残し方もすごいと思う。
自分の過去や、行動や言葉を振り返るきっかけになる作品だと思います。